THE BIG ISSUEのYA特集

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遅ればせながら、THE BIG ISSUE” のVOL.296をゲットしました。

ホームレスの方々の自立を応援する雑誌、THE BIG ISSUE
毎号、海外セレブへのインタビュー記事から時事・社会問題まで読みやすく幅広く取り上げられており愛読していたのですが、新潟には販売員の方がいらっしゃらず。
冬場、路上の雪と寒さは強烈ですからね・・・。
こちらに越してきてからは、上京した折に路上で(ラッキーにも♪)遭遇できたら購読していました。
この号も、仙台に出張した夫に買ってきてもらって、ようやく読むことができました。

VOL.296の特集は、なんとYA文学です!
金原瑞人さん、赤木かん子さん、土居安子さん、奥山恵さん、滝川洋二さん、土井美香子さんが寄稿されており、カラー11ページにわたる豪華さ。
古典から最近のYA、ノンフィクションまで、YA文学全体を俯瞰できる内容となっています。
サイト上で一部ページを読むこともできますので、ご興味のある方は、ぜひ!

個人的に考えさせられたのが、赤木かん子さんの寄せられた文章のなかの、
「つまり、YA文学というのはぶっちゃけた話、苦しんでいる子どもが幸福になる、あるいは問題を解決する話だ、といえるでしょう」
というくだり。
一部だけ抜粋して紹介しても伝わりにくいかもしれませんが、
同ページの中でも、以前拝聴した講演の中でもおなじようなことをくり返しておられたので、きっとこの点が、赤木さんが長年にわたってYA文学の普及に携わられてきた核になっているように思います。

実際のところ、いま、YA向けに出版されている本を眺めてみると、赤木さんのおっしゃっているような、子どもが生きづらさとガチでぶつかっていくような内容の本は少ないような気がします。
もちろん、スポーツや音楽、さまざまな部活や社会問題などにかかわる中で、主人公たちが悩む姿も描かれてはいるのですが、描き方はあっさりしていて、ひりひりするほど強烈なものではありません。
いまの主流は、家族や友だちにもまれながら成長してゆく過程で多くの人たちが経験する、読んでいて共感や追体験しやすいような物語なんじゃないかな。”YA”ではなく、”青春文学”という呼称も浸透しています。
もしくは、現実をいっとき忘れて夢中になれる、エンターテイメント性の強い物語やファンタジー。
YA文学は「苦しんでいる子どもが幸福になる物語」から、枝分かれして進化して、幅広い読者を獲得しています。

でもわたしはやっぱり、赤木かん子さんや、金原瑞人さんが紹介してこられたような、子どもが生きづらさとガチでぶつかっていく、狭義の意味でのYAに惹かれます。

最近、いてもたってもいられないほど読みたくなって、書店や図書館へ走るような本は、一般書、ジャンルでいえば純文学、ということが多いです。
純文学の雑誌の、新人賞の募集ページに載っている、審査員の方々の言葉を読んでいるだけで、胸がふるえます。
大人の文学は、ラストに幸福が約束されていない点で、子どもの文学とぴったり重なることはないのかもしれませんが、たとえ痛々しく見えようと、作者がどうしても書かずにはいられなかったような切実さが感じられる作品、言葉を使ってなにか大きなものに挑んで破壊するようなエネルギーがみなぎっている作品が好きです。

そんな部分に惹かれて、わたしもYAをたくさん読むようになって、書きはじめたんだよな・・・。
その想いは、いまも変わりません。
実年齢ではもうとっくに大人になってしまっても、「最近、大人になって、丸くなりましたね~」なんて、言いたくもないし、言われたくもない。
(好きな作家さんがインタビューで ↑ みたいなことを言っていると、なんだか裏切られているような気がして、それ以降の作品を読む気が失せるレベルでがっかりします)

”子どもが生きづらさとガチでぶつかっていく”ような本って、最近はウケない、売れないのかもしれません。
だけど、必要とされなくなることは決してないと思うし、新刊が少ないんなら、自分が書けばいいんだ!と思ってます。
読んでしみじみしたり、楽しくてワクワクするような物語を書く予定や構想もあるけど、やむにやまれぬほど書きたくなるのはやっぱりそっちなんです。

そんなかんじで、原点に立ちもどったり、これから書こうとしている作品のことを考えたり。
もともとYA文学は、既存の大人社会=(大勢・多数派)に反抗する思春期世代のための文学だったと言われています。
生きづらさを感じている人が生き残るためにもがく必死さ。
という意味でも、YA文学と、”THE BIG ISSUE”は、とても親和性が高いように思います。
特集を組んでくださった方、ありがとう!

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